メルキゼデク(めるきぜでく)
メルキゼデクとは、イスラエル統治以前のエルサレムの王のことです。
(1)メルキゼデクとは、「義の王」という意味で、旧約聖書では、創世記14章と詩篇110篇に出てきます。
(2)メルキゼデクはシャレム(あるいは、サレム、平和の意)の王であると同時に、いと高き神の祭司でもありました。
(3)メルキゼデクは、アブラハムが東方の王たちとの戦いに勝利し、ロトとその財産と民とを携えて帰還した際に、パンとぶどう酒を持って出迎えました。彼は、「いと高き神」の名によってアブラハムを祝福しました。そのときアブラハムは、すべての分捕物の10分の1を彼に与えています(創世記14:18〜20)。
(4)「あなたは、メルキゼデクの例にならい、とこしえに祭司である」(詩篇110:4)という預言は、ダビデがメルキゼデクの位を継ぐという約束であると同時に、ダビデの末から出るメシアが永遠の大祭司として立てられることの約束ともなっています。
(5)メルキゼデクは系図もなく、出生の記録もなく、ただ神によって立てられたことが強調されています。これは永遠の大祭司の型です。その型を成就するのが、キリストです。ヘブル人への手紙7:25にあるとおりです。「キリストはいつも生きていて、彼らのために、とりなしをしておられる」。
出典:クレイ聖書解説コレクション「ヘブル人への手紙」