キリスト仮現論(きりすとかげんろん)
キリストの肉体は仮の現象であるとし、キリストの受肉を否定する教え(ヨハネの手紙第一4:2〜6、5:5)。
(1)これはグノーシス主義から派生したものですが、その内容は、イエスが洗礼を受けた時にキリストが鳩の形をして彼の上に下り、十字架上の死の前にキリストは彼から去ったというものです。つまり、苦しんだのはイエスという人物であって、キリストは受難とは関係がないというのです。
(2)つまり、人間イエスがキリストであった期間は、聖霊が下ったバプテスマの瞬間から、聖霊が取り去られた死の直前までであるという主張です。
(3)これは、その主唱者の名を取ってケリントス主義とも呼ばれました。
出典:クレイ聖書解説コレクション「ヨハネの手紙第一・第二・第三」