エデン契約(えでんけいやく)
神がアダム(アダムは人類の代表)と結んだ契約です。聖書に登場する最初の契約です。しかし、結果的にはアダムはこの契約を破ります。
「エデン契約」の条項は4つあります。
(1)地に増え広がれという命令。「生めよ。ふえよ。地を満たせ」。これは、男女の性的な関係を前提とした命令です。従って、性的な関係を堕落の結果と見る見方は、聖書的ではありません。
(2)地を管理せよという命令。「地を従えよ」。人間には、地とそこに住むものとを管理する特権が与えられました(詩篇8:6~8、ヘブル2:5~9参照)。
(3)生物界を管理せよという命令。「海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ」。アダムが動物に名前を付けるのは、管理権の行使です。
(4)食物が与えられる。「見よ。わたしは、全地の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる」。この時点では、人類は菜食主義者です。肉食は、動物の死がなければあり得ないことです。つまり、自然界に死が入ってくるまでは、人類は菜食しか知らなかったということです。動物たちもまた、菜食によって命を維持しました。
出典:クレイ聖書解説コレクション「創世記」