仮庵の祭り(かりいおのまつり)

イスラエルの秋の例祭の第三番目に当たります(例祭全体の第七番目に当たります)。三つの巡礼祭の一つ。

(1)第7の月の15日が、仮庵の祭りに当たります。7日間の祭りですが、それに8日目も加わり、この日にも労働をしてはならないと命じられました。

(2)祭りの期間、特別ないけにえが献げられました(民数記29:12〜34参照)。雄牛は合計70頭献げられました。古くからユダヤ教のラビたちは、その70頭は、ノアの子どもたちから派生した70の異邦人の国々(創世記10章)を象徴していると解釈していました。ユダヤ教の初期の段階から、仮庵の祭りが異邦人の国々と関連付けて理解されていたのは、大変興味深いことです。

(3)祭りの期間、仮庵に住むようにと命じられています。仮庵を作るための材料は、美しい木の実、なつめやしの葉、茂り合った木の大枝、川縁の柳でした。今では、「美しい木の実」としてシトロンと呼ばれる柑橘類が、「なつめやしの葉」としてルラブと呼ばれる植物が、「茂り合った木の枝」としてミルトスが、「川縁の柳」としてアラバアと呼ばれる植物が使われています。

(4)この祭りの目的は、主がイスラエル人をエジプトから導き出されたということを、後の世代に教えるためです。今でもイスラエル人たちは、この仮庵の祭りを喜びをもって祝っています。

(5)仮庵の祭りは、メシヤ的王国(千年王国)を予表しています。つまり、キリストの地上再臨の後、千年王国が地上に設立されたとき、仮庵の祭りは成就するのです。そういう意味で、仮庵の祭りは喜びの祭りです。

出典:クレイ聖書解説コレクション「レビ記」