今日の聖書の言葉

按手(あんしゅ)

按手とは、「手を置くこと」です。これは、神からの霊的祝福を伝達するための、象徴的行為です。聖書の中には、按手の祈りの例がたくさん出てきます。

1.旧約聖書
(1)ヤコブは、ヨセフの子供たちを祝福する際、彼らの頭の上に手を置いて祝福のことばを述べています(創世記48:14)。
(2)贖罪の日に、祭司アロンは生きているヤギの頭に両手を置いて祈りました。この行為は、イスラエルの民の罪がヤギに移されたことを象徴的に表わしたものです。その後、そのヤギは荒野に放たれました(レビ記16:21)。
(3)レビ人や祭司の相続や任職のためにも、按手が行なわれています(民数記8:10)。
(4)モーセはヨシュアの上に手を置いて、彼を後継者に任命しています(民数記27:23)。

2.新約聖書
(1)キリストは、病人に按手して癒やしておられます(マタイ9:18、マルコ5:23、6:5、7:32、ルカ4:40、5:13など)。
(2)使徒たちも病人に按手しています(使徒9:12、17、28:8)。
(3)ペテロとヨハネがサマリヤ人たちに按手した時、彼らは聖霊を受けています(使徒8:17)。
(4)初代教会でも、按手の儀式が行なわれています。7人の執事が選ばれた時がそうです(使徒6:6)。
(5)アンテオケ教会では、パウロとバルナバが按手を受けて、伝道旅行に旅立っています(使徒13:2〜3)。
(6)テモテもまた、パウロから按手の祈りを受けています(テモテ1:6)。パウロは、安易に人々に按手をするべきではないと忠告しています(テモテ5:22)。

クレイ聖書解説コレクション「テモテへの手紙第一・第二、テトスへの手紙、ピレモンへの手紙」