注ぎの供え物(そそぎのそなえもの)
注ぎの供え物とは、旧約時代に神に捧げた供え物で、ぶどう酒やオリーブ油が用いられました。
(1)注ぎの供え物(捧げ物)は、主に聖別のしるしとして祭壇に注がれました(レビ記8:10〜11参照)。
(2)注ぎの供え物の例としては、毎日捧げられる雄の子羊の全焼のいけにえがあります。この場合は、4分の1ヒンのぶどう酒を注いで祭壇を聖別しなければなりませんでした(出エジプト記29:40〜41参照)。
(3)ただし、香の壇に注ぐことは禁じられていました(出エジプト記30:9)。
(4)その他の例としては、以下のものがあります。
- 全焼のいけにえに添える(民数記28:3〜29:39)
- 主の例祭で捧げるいけにえに添える(レビ記23:13)
- 誓願あるいは進んで捧げる捧げ物(民数記15:5、7、10)
- ナジル人の捧げ物(民数記6:15、17)
預言者ミカは、神に喜ばれるのは、「幾千の雄羊、幾万の油」ではなく、「神とともに歩むこと」であると語っています(ミカ書6:7〜8)。
パウロもまた、自らの生涯、その命を「注ぎの供え物」ととらえていました。
出典:クレイ聖書解説コレクション「ピリピ人への手紙、コロサイ人への手紙」