ドタン(どたん)
最近の発掘により、ドタンの歴史は紀元前3千年にまで遡ることが知られています(現在のテル・ドタン)。古代から今に至るまで、ヴィア・マリスの途上にある要衝の町です。
(1)地名の意味
ドタンとは、「2つの井戸」という意味です。
(2)町の位置
シェケムから20キロほど北にあります。ヨセフはシェケムからドタンまで、1日の道のりを歩いて兄たちを捜しに来ました。そこは、後の時代のマナセ族とイッサカル族の境界線に当たる地です。
(3)その地の特徴
シェケムからドタンにかけては、素晴らしい牧草地が広がっています。しかも、泉が多いために、干ばつがあっても家畜を飼うことのできる地です。ヨセフが投げ込まれた穴は、たまたま水のない井戸でした。ここに摂理的な神の守りがありました。
(4)その他の聖書箇所
預言者エリシャがドタンにいた時の記録があります。アラム軍(シリヤ)が町を包囲し、イスラエルが滅ぼされそうになりました(Ⅱ列6章)。しかし神は、包囲軍の目をくらませ、彼らをサマリヤに連行されました。
出典:クレイ聖書解説コレクション「創世記」