箱舟(はこぶね)

箱舟方舟)は、原語では「テイバー」です。しかしこれは、ヘブル語の言葉ではなく、エジプト語から借用したものです。その意味は、船ではなく、箱です。

箱舟のサイズは聖書では次のように言われています。「それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト」(創世記6:15)

(1)1キュビト(ひじから中指の先までの長さを基にした長さの単位)は約45㎝です。つまり、この箱舟は、長さ135m、幅22.5m、高さ13.5mのサイズだったのです。

(2)広さに換算すると、135×22.5=3,037.5㎡、およそ920坪あったことになります。3階建てですので、総床面積は2,760坪になります。

(3)船のサイズで言うと、排水トン数4万3,000トンです。つまり、4万3,000トンを運ぶ能力があるということです。

(4)これは、今日米国の鉄道で使用している家畜運搬車両550両に匹敵するサイズです。

(5)羊なら、この箱舟に13万頭も入れることができます。現在その種類が知られている動物たちをすべて入れたとしても、その頭数は、3万5,000頭から7万頭の間です。つまり、この箱舟は十分な大きさであったということです(創世記の「種類」は、今の生物学上の「種類」よりも大雑把な概念です)。

出典:クレイ聖書解説コレクション「創世記」