モーセ契約(もーせけいやく)

モーセ契約は、条件付の契約です。その特徴は、「もしあなたがたが○○を守るなら、わたしは○○をしよう。」というものです。従順に対する三つの祝福が約束されています(申命記28〜30章参照)。

 (1)物質的な祝福の約束(4〜5節)。これは、季節に従って雨を与えるという約束に集約されます。カナンの地の農業は、降雨量に大きく左右されるものです。主は従順な民に豊かな雨を約束されました。その結果、民は豊かな収穫を得るようになります。民の霊的な状態が天候に影響を与えるという真理が、ここにあります。

 (2)平和の約束(6〜10節)。次に、約束の地における「平和な生活」が約束されました。その地では、「悪い獣」も、他国からの侵略者もいなくなります。イスラエルの民は、「敵を追いかけ,彼らは‥‥剣によって倒れる」ようになります。また、人口が増加しますが、食糧は有り余ります。

 (3)主が臨在されるという約束(11〜12節)。主は、「わたしはあなたがたの間にわたしの住まいを建てよう。」とお語りになられました。「住まい」とは、ヘブル語で「ミシュカン」と言います。「神の幕屋」、つまり「聖所」のことです。この「ミシュカン」という言葉と「シャカイナグローリー」という言葉は、同じ語源から出た類語です。つまり、神は民の間に住んで、ご自身の栄光を表わすという約束がここにあります。

出典:クレイ聖書解説コレクション「レビ記」