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十字架のことば(4)―第3のことば:愛のことば―

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第3のことば:愛のことばの意味について考えます。

女の方。そこに、あなたの息子がいます。ヨハネの福音書19:26
そこに、あなたの母がいます。19:27

スピーカー:中川健一

聖書箇所:ヨハネの福音書 19:25~27

収録日:20121204

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1.はじめに

(1)「十字架のことば」には7つある。

①前半:午前9時から正午までの間の3時間
*3つのことば
*他人に関するものである。
②後半:正午から午後3時までの間の3時間
*4つのことば
*自分に関するものである。

 

(2)第1のことばは、赦しの祈りである。

「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ23:34)

 

(3)第2のことばは、救いを約束することばである。

「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます」(ルカ23:43)

 

(4)第3のことばは、愛のことばである。

「女の方。そこに、あなたの息子がいます」(ヨハ19:26)

「そこに、あなたの母がいます」(ヨハ19:27)

 

 

 

 

2.アウトライン

(1)愛の力

(2)愛の飛躍

 

 

3.結論:このことばの現代的意味

 

このメッセージは、第3のことばの意味について考えるものである。

 

 

 

Ⅰ.愛の力

 

1.憎しみの中で輝く愛

「兵士たちはこのようなことをしたが、イエスの十字架のそばには、イエスの母と母の姉妹と、クロパの妻のマリヤとマグダラのマリヤが立っていた」(25節)

(1)兵士たちは、4人いた。

①彼らは、マニュアル通りに、イエスを十字架につけた。
②彼らは、慣例通りに、イエスの着物を4分した。
③ここには、無関心、残酷さ、利己心、貪欲が渦巻いている。

 

(2)十字架のそばには、婦人たちが4人いた。

①イエスの母(マリア)、母の姉妹(恐らくサロメであろう)、クロパの妻のマリヤ、マグダラのマリヤ
②弟子たちは逃げていたが、彼女たちは、十字架のイエスに寄り添っていた。
③受刑者の親族、友人は、立ち会うことを許されたか?
④愛は、危険を冒し、犠牲を払う。

 

 

2.痛みの中で輝く愛

(1)子を失くす母の痛み

①人間が感じる最大の痛みであろう。
②幼子の死、友人に囲まれての死には、痛みを和らげる要因がある。
③しかし、人生の最盛期の死には、それがない。
④しかもイエスは、敵に囲まれて死に臨もうとしている。
⑤シメオンがマリアに語った預言が成就した。

「ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れ、また、立ち上がるために定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。剣があなたの心さえも刺し貫くでしょう。それは多くの人の心の思いが現れるためです」(ルカ2:34~35)

 

(2)ラケルの嘆き

①ラケルは、ユダヤ人の母親の象徴である。
ベツレヘムで2歳以下の男の子が殺された時、ラケルは嘆き悲しんだ。

「ラマで声がする。泣き、そして嘆き叫ぶ声。ラケルがその子らのために泣いている。ラケルは慰められることを拒んだ。子らがもういないからだ」(マタ2:18)

③これは、エレミヤ31:15からの引用である。
*バビロン捕囚に引かれていく我が子を見て、母親が嘆いている。
④マリアの嘆きは、イスラエルの母たちの嘆きの集大成である。

 

(3)母の痛みを見る息子の痛み

①イエスの肉体的苦しみは、筆舌に尽くし難い。
②しかし、イエスにとっては、母の痛みを見ることの方がより苦しい。
③精神的痛みのゆえに、肉体的痛みを忘れるほどであった。

 

3.使命の中で輝く愛

(1)この時、宇宙の歴史の中で、最大の出来事が起こっていた。

①アダムによって堕落した人類の罪の(あがな)いがなされようとしていた。
②アダムの堕落によって呪われた宇宙が、再創造に向かおうとしていた。
③イエスは、宇宙大の使命を実行しておられた。

 

(2)しかしイエスは、自分に最も身近な人のことを忘れてはいなかった。

①この時マリアは、40代半ばから後半であろう。
②この年代の婦人は、子どもの世話になるしかない。
③しかし、イエスの弟たちはガリラヤにおり、まだ信者ではない。
④そこでイエスは、母と弟子を結びつける。

 

(3)第3のことば

「イエスは、母と、そばに立っている愛する弟子とを見て、母に『女の方。そこに、あなたの息子がいます』と言われた。それからその弟子に『そこに、あなたの母がいます』と言われた。その時から、この弟子は彼女を自分の家に引き取った」(26~27節)

①「愛する弟子」とは、ヨハネのことである。
②12弟子の中では、ヨハネだけが十字架のそばにいた。
③イエスは、母マリアを弟子ヨハネに委ねた。
*これは証人たちの前で語られた遺言であり、法的効力がある。
*母マリアと弟子ヨハネの間に親子関係が成立した。
④ヨハネにとっては、大変な特権である。
*ユダヤ的文脈では、弟子たちは師を「父」と呼ぶことがあった。
*師の母を自分の母とすることは、師から栄誉を受けたことになる。
⑤「この弟子は彼女を自分の家に引き取った」
*ヨハネはエルサレムに住まいを持っていたのであろう。
*マリアが死ぬまで、エルサレムに留まった。

 

 

 

Ⅱ.愛の飛躍

 

1.マリアとイエスの関係の進展

(1)イエスが公生涯に入る前

①ルカ1:35 受胎告知
②ルカ2:19 羊飼いたちの言葉を心に納めて、思いを巡らしていた。
③ルカ2:34~35 剣が心を刺し貫くと言われた。
④ルカ2:48~51 イエスが12歳の時、エルサレムに上った。

 

(2)イエスが公生涯に入って以降

①ヨハネ2:4

「すると、イエスは母に言われた。『あなたはわたしと何の関係があるのでしょう。女の方。わたしの時はまだ来ていません』」

*「女の方」とは、敬意を込めた言葉である。
*イエスとマリアの親子関係に制限が加わった。
②ルカ8:19~21

「イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のためにそばへ近寄れなかった。それでイエスに、『あなたのお母さんと兄弟たちが、あなたに会おうとして、外に立っています』という知らせがあった。ところが、イエスは人々にこう答えられた。『わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神のことばを聞いて行う人たちです』」

③ヨハネ19:25~27
*再び、「女の方」という呼びかけが使われた。
*イエスの遺言は、マリアとの親子関係の断ち切りであった。

 

 

2.血によるつながりから、愛によるつながりへ

(1)イエスが復活して以降

使徒1:14

「この人たちは、婦人たちやイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちとともに、みな心を合わせ、祈りに専念していた」

*マリアは信者の群れの中の一員となっている。
*これ以降、マリアが聖書に登場することはない。
*彼女は、その信仰のゆえに称賛されるべきであるが、崇拝されるべきではない。

 

(2)血によるつながりから、信仰によるつながりへ

①マリアはイエスを、自分の息子ではなく、主(救い主)と認識した。

 

 

 

結 論:このことばの現代的意味

 

1.私たちへの教訓

(1)責務vs家族への愛

 

 

2.新しい関係の認識

(1)血によるつながりではない関係

(2)愛によるつながりという関係

(3)神を父とする新しい生き方

(4)ヨハネ1:12

「しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった」

(5)すべては変わっても、この親子関係は変わらない。

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