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2018

10.19

ディスペンセーショナリズムとは何か(2)

2 ディスペンセーショナリズムの解説の2回目である。ディスペンセーショナリズムの3つの特徴とは、以下のものである(チャールズ・ライリー博士)。①聖書の字義通りの解釈、②イスラエルと教会の一貫した区別、③聖書が書かれた目的は「神の栄光」であるという認識。前回は、「①聖書の字義通りの解釈」の説明が途中で終わった。今回は、その続きである。聖書を字義通りに解釈した結果、7つのディスペンセーションの存在が認識される。

1.無垢の時代(創1:28~3:8)

2.良心の時代(創3:9~8:14)

3.人間による統治の時代(創8:15~11:32)

 

4.約束の時代(創12:1~出18:27)

 中心人物は、アブラハムである。「約束の時代」という名称は、新約聖書の以下の4つの箇所から出ている。ロマ4:1~25、ガラ3:15~19、ヘブ6:13~15、ヘブ11:9。アブラハムには、アブラハム契約によって示された神の約束を信じることが期待された。そしてアブラハムは、この責任を全うした(創15:6)。アブラハム契約は、アブラハムとその子孫に向けられたものであることを理解する必要がある。人類一般に与えられていた責任は、良心と人間の政府の統治の下で生きることであった。

 アブラハムの子孫たちには、アブラハム契約に従順であることと、カナン人と分離して住むことが期待された。しかし彼らは、そのことに失敗し、結果的にエジプトで奴隷生活を送ることになる。エジプトを出た後の荒野での40年間の放浪生活においても、彼らは神の約束を信じなかった。

 

5.律法の時代(出19:1~使徒1:26)

 中心人物は、モーセである。「律法の時代」という名称は、モーセの律法から出ている(613の律法)。この時代は、出19:1から、中間時代、そして使徒1:26までを含む。イスラエルの民は、モーセ契約に従うことが期待された。ちなみに、613の律法のひとつでも破ったなら、律法のすべてを破ったことになる(ヤコブ2:10)。また、メシア(モーセのような預言者)(申18:15~19)が登場したなら、その方を信じることが期待された。ちなみに、モーセの律法は、契約の民イスラエルに与えられたものであり、異邦人がモーセの律法の基準によって裁かれるわけではない。

 イスラエルの民は、律法を守ることができなかった(ロマ10:1~3)。それどころか、自らの義を立てることによって抜け道を作ろうとした。それが口伝律法である。また彼らは、預言者に従わなかったばかりか、イエスをメシアとして受け入れることもしなかった。イスラエルの不信仰に対する裁きは、複数ある。①アッシリヤ捕囚、②バビロン捕囚、②エルサレム陥落と世界への離散(紀元70年)、④大患難時代(ヤコブの苦しみの日)。

 

6恵みの時代(使徒2:1~黙示19:21)

 中心人物は、パウロである。パウロが、恵みの時代に関する啓示を受け取った。「恵みの時代」という名称は、ヨハ1:17から出ている。これ以前のディスペンセーションでも、神の恵みは啓示されていたが、キリストによってそれがさらに豊かに啓示された。今は、恵みの時代である。恵みの時代は「教会時代」と重なり、さらに7年間の大患難時代をも含む。神の恵みが豊かに啓示されたこのディスペンセーションは、それまでのどのディ   スペンセーションよりも優位に立つ。人類に期待されているのは、神からの「義の賜物」を受け取るということである(ロマ5:15~18)。つまり、新しい契約に従順になるということである。

 

7.御国の時代(黙示20:1~10)

 中心人物は、メシアである。メシアご自身が、新しい啓示を与えてくださる(イザ2:2~4)。「御国」という名称は、メシアの王としての統治を強調している。メシアは、エルサレムから直接統治される。また、更新された祭儀制度と祭司制度が存在するようになる(イザ66:21~23、エゼ40~48章)。この時代は千年王国であるが、これは異邦人が使用する用語である。この時代においては、旧約聖書にあるイスラエルに対する神の約束は、すべて成就する。また、物質的な繁栄が、すべての人に約束される。

このディスペンセーションの特徴は、サタンが「底知れぬ所(アブソス)」に閉じ込められるので、罪を犯す割合が、極めて少なくなるということである。しかし驚くべきことに、この時代にあってもメシアを受け入れない人が出てくる。そして、千年王国の最後に、サタンの反逆に参加する人が出てくる。反逆する者たちの上に、天から神の火が下る。そして、以前の天と地は消え去る(黙示21~22章)。第7のディスペンセーションが終わると、時間を超越した永遠の秩序に入る。

月刊ハーベスト・タイムvol.388より引用

(続く)