わかりやすい解説で、聖書の言葉を学ぶ

Q：変貌山でモーセとエリヤが現れました。モーセは死んだ人ですが、旧約の聖徒たちは、キリストの地上再臨後の千年王国への移行期に復活すると、聞いたことがあります。そうすると、モーセは例外だったのでしょうか。

A：変貌山の記事は、マタイ17章、マルコ9章、ルカ9章に出て来ます。3箇所に登場するということは、この出来事が極めて重要な意味を持っていることを示しています。モーセの復活について、いつものように3つ申し上げます。

1番目に、モーセとエリヤは、旧約聖書の代表です。

栄光の姿に変貌したイエスの両側に、モーセとエリヤが立ちました。彼らは、旧約聖書を代表する人物です。モーセは律法の代表、エリヤは預言者の代表です。この2人の存在は、イエスが、旧約聖書が預言していた約束のメシアであることを証言しています。イエスの変貌は、イエスは人でありながら神性を宿していることを示しています。

2番目に、エリヤは、携挙される聖徒たちの型です。

聖書は、キリストの地上再臨の前に携挙があると教えています。携挙とは、教会、つまりキリストを信じる人たちが生きたままで天に上げられることです。彼らの体は、死を経験しないで栄光の体に変えられます。エリヤは、死を経験しないで、火の車とともに天に上げられました。彼には、すでに栄光の体が与えられています。変貌山に現れたのは、そのエリヤです。

3番目に、モーセは、栄光の体に復活する聖徒たちの型です。

モーセの姿に関しては、2つの可能性が考えられます。（1）モーセの体は、神ご自身が葬られました。その墓を知る者はいません（申34：6）。このことから、モーセの肉体は朽ちていない、つまり、すでに栄光の体になっているという可能性です。（2）もう一つは、モーセは「霊体」で現れたという可能性です。旧約時代の聖徒たちは、地上再臨後に栄光の体に甦ります。つまり、変貌山で現れたモーセは、まだ栄光の体を持っていない霊的存在だということです。私たちにとっては、肉体から離れた「霊体」を理解するのは、大変難しいことです。しかし、人間の霊には実体があるということが分かると、「霊体」という概念が理解できると思います。私は、（2）の可能性が高いと思っています。

参考になる聖句

「そして、見よ、モーセとエリヤが彼らの前に現れて、イエスと語り合っていた」 （マタイ17：3）

モーセは、変貌山で、霊体で現れたと思われます。