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今日の聖書の言葉

2015

11.09

Q.87 宦官はユダヤ人になれるのか。

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割礼とは、男子の性器の包皮の一部を切除する儀式のことで、創世記17章で神がアブラハムとの契約の印として与えたものです。キリストの十字架以前には、割礼のない者はユダヤ人として認められませんでした。そして宦官とは、去勢手術を受けた高級官吏のことです。宦官と割礼、このふたつはどのように両立することが出来たのでしょうか?

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Q. 質問

宦官はユダヤ人になれるのですか。エチオピアの宦官は割礼をうけたのでしょうか。私の考える宦官と同じなら、物理的に無理じゃないですか。

A. 回答

これは、使徒行伝8章に登場するエチオピアの宦官に関する質問です。

いつものように3つ申し上げます。

 

1.宦官とは、去勢手術を受けた高級官吏のことです。

(1)この方の質問には、宦官に関する誤解があると思います。

(2)生殖機能を奪うためには、ほとんどの場合睾丸を除去しました。

(3)従って、宦官でも割礼を受けることは可能です。

 

2.宦官も、ユダヤ人になれます。

(1)ユダヤ教に改宗すれば、異邦人でも宗教的はユダヤ人と見なされました。

(2)申23:1は、宦官が【主】の集会に参加することを禁じています。

  ①この習慣をイスラエルの民の中に持ち込まないためでしょう。

(3)しかし、イザ56:3~5では、神は宦官も受け入れておられます。

(4)エチオピア人の宦官は、ユダヤ教に改宗した異邦人です。

 

3.新約時代に生きる私たちは、割礼を受けなくても、信仰によって救われます。

(1)モーセの律法は、キリストの十字架によってその効力を停止させられました。

(2)イエスを信じることは、心に割礼を受けることです。

参考になる聖句

「割礼を受けているか受けていないかは、大事なことではありません。大事なのは新しい創造です」(ガラ6:15)

 

旧約時代においては、宦官もユダヤ教に改宗することができました。

もっと詳しく知りたい方は

割礼を受けているか受けていないかは、大事なことではありません。大事なのは新しい創造です(ガラテヤ6:15)


創世記(28)―割礼― (創世記 17:1〜27)アウトラインPDF

▲神がアブラハム契約の印として割礼を与えた場面の解説です。

出エジプト記(06)―エジプトに向かうモーセ― (出4:18〜28) (アウトラインPDF

▲モーセの妻は割礼を嫌い、息子が無割礼のままだったために、モーセが死にそうになる場面。神の契約の重さがわかります。

ローマ人への手紙(52)―教会内の調和を求めて(2)― (ロマ14:5〜12)アウトラインPDF

▲キリストの十字架以降、異邦人も多く集った教会において「割礼は必須か否か」が論争になっていた時のパウロの答えです。少し難しいので、上級者向けです。