2018

04.26

Q.169 旧約聖書の律法は今も有効ですか。

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聖書の文脈を知らずして読むと、開いたその箇所に書いてあった言葉につまづいてしまうことがあります。そこに記載された神の命令が、どの時代区分、誰に向けて書かれたものかを理解することはとても重要です。現代に生きる私たちに適用されている律法とは、どんなものでしょうか。

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Q. 質問

Q:あなたは、キリストの十字架によってモーセの律法は終わっていると言われていますが、聖書のどこに書いてあるのか、教えてください。

A. 回答

A:これは、クリスチャンとモーセの律法の関係についての質問です。いつものように3つ申し上げます。

1番目に、 モーセの律法はイスラエルの民に与えられたもので、クリスチャンに与えられたものではありません。

律法の中には、①どのようにして神に従い、神を喜ばせるかを教えたものがあります。例えば、十戒がそれです。②また、どのようにして罪を贖い、神に近づくのかを教えたものもあります。③さらに、ユダヤ人を異邦人から隔離させるためのものもあります。これらの律法は、今日のクリスチャンに適用されるものではありません。

2番目に、イエスが十字架上で死んだとき、モーセの律法は無効になりました。

それを教えている聖句をいくつか紹介します。

「キリストが律法を終わらせられたので、信じる人はみな義と認められるのです」 (ロマ10:4)

「こうして、律法は私たちをキリストへ導くための私たちの養育係となりました。私たちが信仰によって義と認められるためなのです。しかし、信仰が現れた以上、私たちはもはや養育係の下にはいません」 (ガラ3:24〜25)

「キリストこそ私たちの平和であり、二つのものを一つにし、隔ての壁を打ちこわし、 ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。敵意とは、さまざまの規定から成り立っている戒めの律法なのです。・・・ (エペソ 2:14〜15a)

3番目に、クリスチャンには「キリストの律法」が与えられています。

ガラテヤ 6:2にはこうあります。「互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい」 。「キリストの律法」を要約すると、神を愛することと隣人を愛することです。この2つが実行できれば、私たちは罪を犯すことも、隣人を傷つけることもなくなります。注意すべきは、モーセの律法が命じていたのと同じ内容が、キリストの律法でも登場するということです。例えば、十戒の中の九つまでキリストの律法で繰り返されています。消えているのは、安息日の命令だけです。そのため、あたかもモーセの律法が今も有効であるかのように感じますが、そうではありません。モーセの律法は、分割不可能な「集合体」です。ひとつが終われば、すべてが終わっているのです。

参考になる聖句

 「互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい」 (ガラテヤ6:2)

 モーセの律法は、クリスチャンには適用されません。

もっと詳しく知りたい方は

#139 日曜日に働くことは罪でしょうか。

#92 安息日は日曜日に変わったのでしょうか。

#21 大昔に書かれた聖書を現代に適用するのって、難しいのでは?


神のプランが時代とともに明らかになっていく様子は、日本人に贈る聖書ものがたり(文芸社文庫刊 全8巻)を読むととてもよく分かります。

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