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2014

09.08

Q.42 ある有名な解説者がテレビで「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神は同じだ」と説明していました。本当ですか?

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神は同じ神なのでしょうか。もし同じ神を信じているのなら、どうして同じ宗教ではないのでしょう。この重要な疑問について「神概念」「救いの方法」というポイントから違いを見ていきます。

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#42. ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神はすべて同じ神なのですか。

Q. 質問

先日、テレビを見ていたらある有名な解説者が、「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神はすべて同じ神だ」と説明していました。これは本当なのですか。

A. 回答

これは重要な質問ですね。まず、申し上げておきたいのは、ユダヤ教とキリスト教は、同じ「旧約聖書」を使用しています。ただし、ユダヤ教は「新約聖書」のことは認めていません。今日は、回答を単純化するために、質問を次のように置き換えたいと思います。

「聖書の神とコーランの神は同じですか」という質問です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教というと、これは三次元方程式ですね。今のように、聖書の神とコーランの神の対比なら、いわば二次方程式になりますから、易しくなります。

それで、いつものように3つ申し上げます。

1番目に、両者の神概念には、「共通した点」があります。

例えば、「天地を創造した永遠の神がいる」という主張をしていることです。また、「全知全能で遍在の神がいる」という主張も共通しています。イスラム教徒はその神を、「アラー」と呼ぶわけです。これはアラビア語で、「神」という意味です。ここまで見ると、両者の神概念は非常に近く、共通した点があるということが分かります。

しかし2番目に、両者の神概念には、「決定的な違い」があります。

聖書の神は「三位一体」です。つまり、神は唯一であるけれども、「父、子、聖霊」という「3つの位格」を有しているということです。位格というのは、分かりやすく言うと、「3つの人格を持っている」ということです。父、子、聖霊という三位一体の神の第二格の神を「子なる神」と言います。そのお方が、私たちを救うために、人となって地上に来てくださった。これが、イエス・キリストです。両者の神概念の「決定的な違い」は、イエス・キリストを神として認めるか認めないかという点にあります。

そして3番目に、両者の神概念が違うということは、両者の救いの方法にも「決定的な違い」があるということです。

神であり人であるイエス・キリストは、人類の罪を負って、十字架上で死なれました。イエス・キリストを救い主として信じることが、赦しを受け取る「唯一の方法」です。聖書は、「人は恵みにより、信仰によって救われる」と教えています。それに対して、コーラン、あるいはイスラム教は、「業による救い」を教えています。キリスト教が信仰による救いを教えているのとは、対照的です。

結論は、両者の神概念は似ているところもあるが、決定的な違いがあるということです。ですから、同じ神だと主張することはできません。

参考になる聖句

「イエスは彼に言われた。『わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません』」(ヨハネの福音書14:6)

「イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。『わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます』」(マタイの福音書28:18〜20)

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