イエス・キリストやパウロなど、様々な新約聖書の登場人物は、頻繁に旧約聖書を引用して教えたり、「旧約聖書にこう書いてあるから」ということを理由に証明したりしています。では、アポクリファからの引用があったかというと・・・無いのです。アポクリファの成り立ちや、そこにはどんなことが書かれているのか?さっそく見てみましょう。
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Q. 質問
聖書外典(アポクリファ)とはなんですか。どのように位置づければよいのですか。
A. 回答
大変専門的な質問ですね。カトリックの聖書には、プロテスタントの聖書に含まれていない書がいくつかあります。それを外典とか、アポクリファとか言います。アポクリファとは、「秘められた」という意味があります。
いつものように3つ申し上げます。
1.ユダヤ人がアポクリファを正典と認めたことは、一度もありません。
(1)アポクリファのほとんどが、旧約聖書と新約聖書の間の時代に書かれました。
(2)そこには、歴史的記録としての誤りや、記述内容の矛盾が含まれています。
2.初代教会も、アポクリファを正典とは認めませんでした。
(1)新約聖書には、旧約聖書からの引用が数百もあります。
(2)しかし、アポクリファからの引用はありません。
3.カトリック教会がアポクリファを正典に含めたのは、1500年代になったからです。
(1)プロテスタントの宗教改革に対抗するために、トリエント公会議で決められました。
(2)聖書が教えていない習慣や教理を正当化するためでした。
①死者のための祈り
②聖人やマリアに執りなしを願う祈り
③天使礼拝
④免罪符の教え(今は行っていない)
参考になる聖句
「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです」(2テモ3:16~17)
アポクリファは聖典ではなく、歴史的資料として利用すべきものです。
もっと詳しく知りたい方は
聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです(第2テモテ 3:16〜17)
聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。