2020
01.27
Q.232 なぜユダヤ人は嫌われるのですか。
世界に離散して住むユダヤ人は、今でもそれぞれの地域で迫害を受けています。イスラエルに関するニュースも正しく報道されないことがしばしば。今回のご質問は「なんでこんなに嫌われてるの?」という内容です。
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Q. 質問
Q:今も世界各地に反ユダヤ主義が広がっています。なぜユダヤ人が嫌われるのか、教えてください。
A. 回答
A:反ユダヤ主義のことを英語で「anti-Semitism」と言いますが、これは19世紀になってから広まった婉曲語です。ユダヤ人はセム系民族なので、こういう用語が生まれたわけです。反ユダヤ主義について、いつものように3つ申し上げます。
1番目に、歴史家が指摘する反ユダヤ主義の原因は、少なくとも6つあります。
それを上げてみます。①ユダヤ人は、キリスト殺しの犯人である。②ユダヤ人は、富を持ち過ぎている。③ユダヤ人は、自分が選民だと思い傲慢になっている。④ユダヤ人は、劣悪な人種である。⑤ユダヤ人は、世界の問題の原因である。⑥ユダヤ人は、他の民族や文化と同化しない。しかし、よく調べてみると、これらの要因は単なる憶測や噂に過ぎず、いわば「神話」のようなものです。
2番目に、聖書が指摘する反ユダヤ主義の原因は、霊的なものです。
神は、全人類を救うためにアブラハムを選び、彼と契約を結ばれました。その契約を継承したのが、アブラハムの子のイサクであり、孫のヤコブです。そのヤコブの子孫がイスラエル人、つまり、ユダヤ人です。ということは、ユダヤ人は、神が全人類を救うために用いる器だということです。そこに目を付けた悪魔は、ユダヤ人を抹殺しようとしました。ユダヤ人がいなくなれば、神の計画が成就することはなくなるからです。聖書の観点からすると、すべての反ユダヤ主義は神の否定につながります。
3番目に、神は、悪魔の陰謀からユダヤ人をお守りになります。
悪魔がこれまでに用いてきたユダヤ人の抹殺法は、いつくかあります。①エジプトの圧政、②アッシリヤ捕囚、③バビロン捕囚、④ペルシアの圧政、⑤ロシアでのポグロム、⑥ナチスドイツのホロコースト。いずれの方法も、完全にユダヤ人を消し去ることはできませんでした。ロマ11:26には、「こうして、イスラエルはみな救われる」という預言があります。反ユダヤ主義の原因が霊的なものであることを理解する人は、ユダヤ人を愛し、ユダヤ人の救いのために祈り始める人です。
参考になる聖句
「こうして、イスラエルはみな救われるのです。『救い出す者がシオンから現れ、ヤコブから不敬虔を除き去る』」 (ローマ11:26)
反ユダヤ主義の原因は、霊的なものです。