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今日の聖書の言葉

悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。

紀元26年頃のイスラエル

バプテスマのヨハネ

そのころ、バプテスマのヨハネが現れ、ユダヤの荒野で教えを宣べて、言った。「悔い改めなさい。天の御国が近づいたから。」(マタイ3:1〜2)

この意味は、「死んだのち、天国に行きたければ、自分の罪を悔い改めよ。」ということではありません。では、どういう意味でしょうか。

新約聖書には、ヨハネという名前の重要人物が何人か登場します。そのひとりが、祭司ザカリヤの子ヨハネ、通称バプテスマのヨハネです。彼の父ザカリヤが神殿で祭司の務めをしているとき、天使が現れてヨハネの誕生を予告しました。このエピソードは、国中に広く知られ、彼が成人したらどういう人物になるか、と注目されていた人でした。

イスラエルの救世主を求める気運が高まる中、ヨハネは荒野で宣教を開始しました。そのときのスローガンが、この言葉でした。その意味には、3つのポイントがあります。

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  1. 「天の御国」とは、旧約聖書で預言されていた地上の王国です。イスラエルの救世主キリストは、地上に天の神の御心にかなう国を建設します。これが「天の御国」です。
  2. イスラエル民族がこの国に入るためには、それまでの不信仰な歩みを民族的・国家的に「悔い改める」ことが条件です。悔いて神の前にへりくだった民を、神は、神の御心にかなう言動ができるようにしてくださる、と約束しておられました(申命記30:1〜10)。
  3. 天の御国が「近づいた」というのは、イスラエルの救世主キリストがおいでになるのが、いよいよ近いということです。そこで、ヨハネは、イスラエルの人々に御国に入る備えとして悔い改めを求めました。

民族的な悔い改めの表明として、ヨハネは、人々にヨルダン川で洗礼を授けました。このため、彼は「洗礼者ヨハネ」、あるいは「バプテスマのヨハネ」と呼ばれるようになったのです。

清水 誠一

この記事の執筆者

清水 誠一

熊本聖書フォーラム代表

清水 誠一

1955年生まれ。静岡県出身。
1981年熊本大院卒。
税理士事務所、日本IBMに勤務ののち、1995年より熊本市に在住、現職は会社役員。
20代で右翼思想から転向して、米国バプテスト教会宣教師より受洗。
30代でペンテコステ系神学に傾倒するも挫折、ガン病棟を経験。
40代は仕事に没頭、家庭崩壊と離婚の危機。
50代で聖書を読み直す。
2013年より熊本聖書フォーラム開始、現在に至る。
2014年7月ハーベスト聖書塾卒。

もっと詳しく知りたい方は

預言者とはどういう人ですか?

バプテスマのヨハネの登場 (アウトラインPDF)

△イエス・キリストも、バプテスマのヨハネから洗礼を受けました。上記2つの動画ではバプテスマのヨハネがどんな人物であったかが触れられています。