旧約・新約の「やく」ってそもそもなんのこと?
旧約聖書、新約聖書の内容をざっくりいうと?
クリスチャンて、どういうことを信じてるの?
前知識なしで聖書を手に取るとまず、みんなが「ハテナ?」となってしまうポイントをスッキリ解説。編集部でも、とにかくスッキリする!と評判です。
テキストで読む
#3. 旧約聖書と新約聖書の違いは何ですか。
Q. 質問
書店の店員に「聖書が欲しいのですが」と尋ねたところ、「新約聖書でしょうか、それとも旧約と新約が一冊になっているものでしょうか」という答えがかえって来ました。違いは何ですか。
A. 回答
3つ申し上げます。
1番目に、まず誤解を解いておきましょう。
旧約聖書、新約聖書の「約」は、翻訳という「訳」ではありません。これは、「旧い翻訳」と「新しい翻訳」という意味ではなくて、「契約」の「約」です。
また、旧約は「カトリック」が使っていて、新約は「プロテスタント」が使っているというのも誤解です。新約、旧約というのは「旧い契約」と「新しい契約」という意味です。その旧い契約と、新しい契約の両方を含んでいるのが聖書です。ちなみに、ユダヤ人たちが聖書と言えば、それは私たちが「旧約聖書」と呼んでいるものです。なぜなら、彼らは新約聖書を受け入れていないからです。
2番目のポイントは、「では、旧約聖書の内容は何か」ということです。
それを一言で言い表すと、「イスラエルの民の歴史」ということになります。神は、イスラエル人を選び、彼らを用いて全人類を救おうとされました。それがイスラエルの民の歴史です。
イスラエル人の歴史を源流までさかのぼって行くと、最初に登場するのはアブラハムという人物です。アブラハムにイサクという子が生まれ、イサクにヤコブという子が生まれます。ヤコブから12人の息子が出てくるのですが、そのヤコブに、ある時、イスラエルという名前が与えられました。従って、最初のイスラエル人はヤコブです。彼から生まれた12人の息子たちが、イスラエル12部族として広がっていった訳です。
イスラエルの歴史上最も有名な王であるダビデは、12部族の中のユダ族出身です。このダビデの家系から、人類の救い主(メシア)が誕生してくるという約束が与えられました。これが、旧い契約の内容です。
3番目のポイントは、「では、新約聖書の内容は何か」ということです。
新約聖書には、「約束の救い主が到来した」という報せが書かれてあります。イエス・キリストという方が、旧約聖書が預言しているメシア(救い主)、つまりキリストだ、ということが新約聖書の内容です。
旧約聖書と新約聖書を分断してはなりません。ある方は、「旧約は終わった。もういい。新約だけ読んでいればいい」とおっしゃるのですが、そんな訳にはいきません。旧約の方が圧倒的に分量が多いのです。旧約から続く流れの中で、新約を読まなければなりません。
では、約束の救い主として来られたイエス・キリストの役割はなんでしょうか。それは以下のようなことです。
- イエス・キリストは、罪のない完璧な生涯を送られ、私たちの罪のために死なれた。
- 死んで墓に葬られた。
- そして、3日目に復活された。
福音とは、「キリストが、私たちの罪のために死に、墓に葬られ、3日目に復活された」ということです。この福音を受け入れ、イエス・キリストに信頼を置いた人が、「神の子」と呼ばれます。新約聖書には、このグッドニュース(福音、良き報せ)が書かれています。
ぜひ、聖書を開いてください。福音を受け入れてください。
参考になる聖句
「また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です」(テモテへの手紙第二3:15〜16)