エルサレムを最初に首都に選んだのはダビデ王でした。位置的に首都にふさわしい、防衛しやすい、水源がある等々・・・なぜイスラエルが? という問いに、人間的に納得できる答えも幾つかあります。でもそれ以上に、「神の主権」に注目してみましょう。
テキストで読む
Q. 質問
Q:神様は、なぜエルサレムを選ばれたのですか。先日、求道者の方から質問されて、的確に答えることができませんでした。時間をもらって調べても、なぜという答えが見つかりません。
A. 回答
A:これは難しい質問です。順を追って答えていきます。いつものように3つ申し上げます。
1番目に、人類救済計画は、アブラハムの選びから始まりました。
では、神はなぜアブラハムを選ばれたのでしょうか。それは分かりませんが、ひとつ言えるのは、アブラハムが名もない無力な人であったということです。神は、力のある民族を選んでご自身の計画を遂行されたのではなく、取りに足りないひとりの人を用いて御業を行われました。アブラハムの選びは、神の主権に基づくものです。
2番目に、神はアブラハムとその子孫に、カナンの地を与えると約束されました。
神はなぜカナンの地を選ばれたのでしょうか。それは、その地が「世界のハイウェイ」と呼ばれる危険な地だったからです。アブラハム、イサク、ヤコブの子孫であるイスラエル人たちは、出エジプトの体験の後に、約束の地に定住するようになりました。そこは、神に信頼しない限り生存することができない地でした。つまり、イスラエル人の信仰を訓練する地だったのです。イスラエル人たちがどのような神を信じ、どのように生きているかは、諸国の知るところとなりました。つまり、イスラエル人たちはカナンの地に住みながら、イスラエルの神の素晴らしさを証言したのです。
3番目に、エルサレムを首都に選んだのはダビデです。
エルサレムは、元はエブス人の町でした。ダビデは、この難攻不落の町を征服し、そこを統一王国の首都としました。エルサレムは、北の10部族と南の2部族のちょうど中間に位置していました。また、三方を山に囲まれ、防衛に適した地形でした。さらに、ギホンの泉という水源もありました。ダビデがこの町を首都に選んだのは当然のことです。しかし、究極的にエルサレムを選び、そこを人類救済計画の主要な舞台とされたのは神ご自身です。歴代誌第二6章6節には、こうあります。 「ただ、エルサレムを選んでそこにわたしの名を置き、ダビデを選んでわたしの民イスラエルの上に立てた」 。エルサレムは、キリストの死、埋葬、復活、そして昇天の舞台となりました。そして、将来はキリストの再臨の舞台となります。
参考になる聖句
「エルサレムの平和のために祈れ」 (詩篇122:6)
エルサレムの選びは、神の主権によることです。