こちらの動画では、メシアニック・ジューの信仰の内容、その起源、現在の人口規模という切り口から「どういう人たちなのか」を解説しています。日本ではなかなか耳慣れない「メシアニック・ジュー」という言葉について質問が来るとは、彼らが注目されてきている証かもしれません。
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#22. メシアニックジューとは何ですか。
Q. 質問
最近になって「メシアニックジュー」という言葉を耳にする機会が増えましたが、どういう意味ですか。ユダヤ人クリスチャンのことでしょうか。
A. 回答
この質問をされた方は、おそらくクリスチャンだと思いますね。「メシアニックジュー」という言葉が、最近さまざまな場所で語られています。いつものように3つ申し上げます。
1番目に、メシアニックジューとは「誰」か。
それは、イエスを旧約聖書に預言されたメシアと信じるユダヤ人のことです。ちなみに、メシアというのはヘブル語で救い主という意味です。それがギリシア語になると、キリストです。
メシアニックジューとは、「ユダヤ人クリスチャン」のことですね。ただ、彼らを「ユダヤ人クリスチャン」と呼ばない理由、あるいは彼ら自身が「私はユダヤ人クリスチャンだ」と言わない理由があるわけです。その理由とは、「クリスチャン」という言葉に対するある種の「抵抗感」があるということです。彼らは、キリスト教に改宗したわけではないのです。ですから、自分のことを時には「完成されたユダヤ人」というような言い方をします。英語では、「complete Jew」ですね。
以上のことを整理しますと、メシアニックジューとは、「キリストを自分の救い主と認めて信じるのは、ユダヤ人として当然のことだ」という考えを持っているユダヤ人のことです。彼らのライフスタイルは、ユダヤ人の伝統や文化を保持しながら、イエスに従うというものです。
2番目に、メシアニックジューの「起源」はいつごろからか。
なんと驚くなかれ、「新約聖書」が書かれた時代に、メシアニックジューの起源があります。
皆さんに質問しますが、「イエスは、なに人ですか」。…ユダヤ人ですね。その弟子たちも、ユダヤ人です。聖書自体が、旧約、新約を含めて、極めて「ユダヤ的な本」です。ですから、教会が始まった最初から、その中心はメシアニックジュー、つまり、ユダヤ人信者だったのです。
20世紀になってから、再びメシアニックジューの数が増えるという現象が起こっていますが、元々は新約聖書とともに、メシアニックジューの起源があるということです。
3番目に、メシアニックジューの「数」はどれぐらいいるか。
世界中でどれくらいいるかと考えるとなかなか難しいですが、一般的には約35万人と言われています。イスラエルでは、現在、2万人前後いると思われます。かつてのメシアニックジューの人口を考えると、この数は驚異的です。例えば、第一次中東戦争(独立戦争)直後ですと、イスラエルには数家族のメシアニックジューしかいなかったのです。それが、60年後には、約2万人にまで増えているわけです。メシアニックジューが増加しているということは、「聖書の確かさ」の証しでもあります。神様が、ユダヤ人に対して持っている計画は、今も有効であるということです。
メシアニックジューの数が増加しているということは、特に「終末論」との関係で、非常に興味深いです。「終末論」というのは、「終わりの時代にどういうことが起こるか」という学びです。終わりの時には、イスラエルは民族的救いを経験するようになります。私たちは、その時代にますます近づいていると言えます。
福音は、エルサレムからスタートして世界を一周し、今また「エルサレム」に向かいつつあります。そのような時代に、私たちは生かされているのです。
参考になる聖句
「兄弟たち。私はあなたがたに、ぜひこの奥義を知っていていただきたい。それは、あなたがたが自分で自分を賢いと思うことがないようにするためです。その奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになったのは異邦人の完成のなる時までであり、こうして、イスラエルはみな救われる、ということです」(ローマ人への手紙11:25〜26)
もっと詳しく知りたい方は
ユダヤ人がクリスチャンになるとはどういう事なのか? 日本人には理解しにくい「ユダヤ人にとってのメシア観」を、ご自身がメシアニックジューであるエレズ・ソレフ師(イスラエル聖書大学学長)が語ります。時間は60分ですが、英語のあとに日本語通訳が入りますので内容は易しく、興味深いものです。オススメ!
福音がエルサレムからスタートし、世界を一周し、今またエルサレムに戻らんとしている世界情勢についてコメントのある動画です。