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今日の聖書の言葉

人生の謎を解く(2)―人はなぜ苦難に会うのか―

神がお作りになった世界は「非常によかった」とありますが、それでは、この世にはなぜ不幸があり、人は苦難に会うのでしょうか。

スピーカー:中川健一

収録日:20120207

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イントロダクション

(1)新幹線の中に財布を忘れた経験

(2)見つかるまでの対応として、最悪の状況を考えた。
①お金の損失
②クレジットカードが2枚
③運転免許証
④健康保険証
⑤その他のカード

(3)最悪ではないことを確認し、平安を得た。
①人生においても、最悪に備える必要がある。
②そのためには以下の2点を知っておく必要がある。
*苦難の原因
*苦難への対応


はじめに

(1)神がお造りになった世界は、「非常によかった」とあるが、それでは、この世にはなぜ不幸があり、人は苦難に会うのか。

(2)神がすべてを創造したというなら、神は悪も作ったのか。

 

1.一般的説明

(1)因果応報という考え方(仏教用語)
①前世あるいは過去の善悪の行為が因となり、その報いとして現在に善悪の結果がもたらされること。
②これは、聖書の教えではない。
③ヨハ9:1〜3
「またイエスは道の途中で、生まれつきの盲人を見られた。弟子たちは彼についてイエスに質問して言った。『先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯したからですか。この人ですか。その両親ですか』。イエスは答えられた。『この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。神のわざがこの人に現れるためです』」

(2)すべてを偶然とする考え方
①これは、無神論的世界観である。
②歴史はある目的に向かって動いているという聖書の教えとは相容れない。
③人生そのものが無意味になる。

(3)神に責任をかぶせる考え方
①人生において与えられている多くの祝福には感謝せず、不満のみ口にする。
②不満のはけ口にはなっても、事態を悪化させる結果になる。

2.創世記3章

創世記3章の記述に注目しよう。ここには、罪がどのようにしてこの世界に侵入して来たのかが記されている。聖書の記述の中で、罪から自由になっているのは、最初の2章(創1、2章)と、最後の2章(黙21、22章)だけである。

(1)創2:15〜17
「神である【主】は人を取り、エデンの園に置き、そこを耕させ、またそこを守らせた。神である【主】は人に命じて仰せられた。『あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ』」
①人に自由意志が与えられた。
②これは、最高の賜物であり、人間が持つ基本的特徴である。
③自由意志がなければ、愛の関係は成り立たない。
④自由意志には、誤用の可能性がある。
⑤なぜ、罪を犯さないように人を造らなかったのかという質問は、意味をな
 さない。

(2)神の意図
①人が従順を通して成長すること
②神との交わりの中で生きること
③罪を犯すことなしに、「善悪」の区別を知るようになること
④そのための役割を果たしたのが「善悪の知識の木」である。

(3)創3:1〜7
「さて、神である【主】が造られたあらゆる野の獣のうちで、蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。『あなたがたは、園のどんな木からも食べてはならない、と神は、ほんとうに言われたのですか』。女は蛇に言った。『私たちは、園にある木の実を食べてよいのです。しかし、園の中央にある木の実について、神は、「あなたがたは、それを食べてはならない。それに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ」と仰せになりました』。そこで、蛇は女に言った。『あなたがたは決して死にません。あなたがたがそれを食べるその時、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです』。そこで女が見ると、その木は、まことに食べるのに良く、目に慕わしく、賢くするというその木はいかにも好ましかった。それで女はその実を取って食べ、いっしょにいた夫にも与えたので、夫も食べた。このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った」

①サタンの巧みな誘惑
②エバの心に浮かぶ神への不信感
③エバの勧めに従うアダムの弱さ
④一番の責任は、アダムにある。神とアダムの契約である。

(4)人の反逆
①罪とは、神への意図的反逆である。
②罪とは、自分を神とすることである。
③罪とは、的外れの状態である。

(5)罪の結果
①死(神との断絶)
②自己嫌悪
③恐れ
④責任転嫁
⑤自然界の破壊

3.神の解決策

ここで、神が人類の罪に対して、どのような解決策を考えられたのか見てみよう。神は今も人類を愛しておられる。

(1)創3:8〜13
「そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である【主】の声を聞いた。それで人とその妻は、神である【主】の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。神である【主】は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。『あなたは、どこにいるのか』。彼は答えた。『私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました』。すると、仰せになった。 『あなたが裸であるのを、だれがあなたに教えたのか。あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか』。人は言った。『あなたが私のそばに置かれたこの女が、あの木から取って私にくれたので、私は食べたのです』。そこで、神である【主】は女に仰せられた。『あなたは、いったいなんということをしたのか』。女は答えた。『蛇が私を惑わしたのです。それで私は食べたのです』」

①「あなたは、どこにいるのか」
②「あなたが裸であるのを、だれがあなたに教えたのか」
③「あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか」
④「あなたは、いったいなんということをしたのか」

(2)創3:14〜15
「神である【主】は蛇に仰せられた。『おまえが、こんな事をしたので、おまえは、あらゆる家畜、あらゆる野の獣よりものろわれる。おまえは、一生、腹ばいで歩き、ちりを食べなければならない。わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく』」

①蛇に対する呪い
②「女の子孫」の約束
③サタンと女の子孫との戦いの預言
④創3:15を「原福音」という。
⑤この節は、これ以降聖書を読むための原則となる。
⑥中東で毒蛇に出会ったときの様子が、この節の背景になっている。
⑦女の子孫も傷を受けるが、蛇の方は頭を踏み砕かれる。

(3)創3:21
「神である【主】は、アダムとその妻のために、皮の衣を作り、彼らに着せてくださった」

①この皮の衣とは、神が与える「義の衣」を象徴している。
②人が自力で作ったいちじくの葉の衣とは大いに異なる。
③この皮の衣を作るためには、動物が犠牲になっている。

4.この課の復習

(1)人類はアダムにあって堕落した。
①アダムは契約の代表者である。
②アダムの行為の結果は、全人類に及んでいる。
③私たちは、神の栄光(シャカイナグローリー)から断絶されている。
(例話)ヘロイン中毒の人
(2)人類はキリストにあって回復される。
①イエス・キリストは新しい契約の代表者である。
②イエスは、最後のアダムである。
③イエスの行為の結果は、信じる者すべてに及ぶ。
*十字架の死
*埋葬
*復活
④私たちは、イエスにあって神との関係を回復する。


まとめ

 以下の質問に答えましょう。
(1)神はなぜ人に自由意思を与えたと思いますか。

(2)一般的に「罪」という言葉が意味しているものと、聖書が教える「罪」とはどう違いますか。

(3)罪の結果について5つのことを学びましたが、この中で、自分の体験に<照らしてうなずけるものがありましたか。
(4)創3:15は、なぜ大切な聖句だと言われているのですか。

*次回は、「女の子孫」と呼ばれる人物がだれなのか学んでみましょう。

祈ってみよう!

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