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2025

10.10

Q.468 解説文ではなぜ「イエス様」と書かないのですか。

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Q.質問

Q:聖書解説で、「イエス」と呼び捨てではなく、「イエス様」として欲しいのですが、いかがですか。

A.回答

はじめに

この方は、「ネットで読むClay【クレイ】」を読んでおられる方です。同じような疑問を抱いている方は多いと思います。このテーマに関して、いつものように3つ申し上げます。

1番目に、神学的な視点から考えます。

(1)新約聖書では、イエスはギリシア語で「イエス―ス」です。

(2)日本語訳では「イエス」です。

(3)聖書の本文には「イエス様」という呼称は出てきません。

(4)例外的に会話文の中に「イエス様」という呼び方が出ている場合があります。

(5)もちろん、英語訳にはそのような例外はありません。

(6)解説や講解の場では、聖書本文に忠実に「イエス」と表記することが原則です。

2番目に、文化的な視点から考えます。

(1)日本語は敬語文化の中で使用する言語です。

(2)「イエス様」という呼称は、イエスを尊敬し崇める心から出る自然な表現です。

(3)日本人の感覚では、礼拝、祈り、証しの中では「イエス様」と呼ぶのが自然です。

(4)質問者の方も、日本人の自然な感覚を背景に違和感を訴えておられます。

3番目に、牧会的な視点から考えます。

(1)「イエス」も「イエス様」も正解です。

(2)ただし、バランスの取り方が重要です。

(3)聖書の解説では、本文に忠実であるために「イエス」を用いるのが正解です。

(4)適用の部分では「イエス様」を用いることに問題はありません。

(5)この使い分けにより、学問的正確さと牧会的配慮の両方を守ることができます。

本文解説では「イエス」という呼称が正解です。