2023
06.16
Q.347 日本語聖書はなぜ読みにくいのですか。
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Q.質問
Q:インターナショナル教会に通っておりますが、日本語聖書が読みにくいという日本人の方たちのお声をたくさんいただいております。英語の聖書のほうが分かりやすいという人もいます。なぜ日本語の聖書は読みにくいという感覚があるのでしょうか。
A.回答
A:はじめに
バイリンガルの方には、日本語訳よりも英語訳のほうが分かりやすいと思います。その理由について、いつものように3つ申し上げます。
1番目に、言語構造の違いが翻訳作業を困難にしています。
(1)ヘブライ語はセム語族、英語はインド・ヨーロッパ語族、日本語はジャポニック語族に分類されます。
①ヘブライ語と英語では、言語の構造と語彙に大きな隔たりがあります。
②しかし、アルファベットを使っている点では、似ています。
③さらに、英語にはヘブライ語からの借用語があります。
*"Hallelujah"、"Amen"、"Sabbath"など。
④ヘブライ語と日本語の隔たりは、英語の場合より大きいです。
(2)ギリシア語はインド・ヨーロッパ語族に属しています。英語と同じ語族です。
①ギリシア語と英語の両方が名詞の冠詞を持っています。
②ギリシア語と日本語の隔たりは、英語の場合よりも大きいです。
(3)翻訳する単語が等価ではないことも、訳文が難解である理由です。
2番目に、原文を正確に訳そうとすればするほど、訳文は読みにくくなります。
(1)正確に訳すことと、現代人に分かりやすい日本語にすることは、矛盾する概念です。
①ここに、翻訳者の苦労があります。
②読みにくい訳というのは、ほとんどの場合、原文に忠実な訳です。
(2)ロマ書1:1~7は1つの長い文です(2~6節は挿入句)。
①日本語訳は、これをいくつかに分割しています。
②英語では1つの文に訳すことが可能です。
3番目に、複数の訳文を比較することをお勧めします。
(1)リビングバイブルは、読みやすさを重視した意訳です。
(2)詳訳聖書(絶版)は、複数の意味を併記した訳です。
(3)初心者向けには、読みやすさを重視した訳を用いましょう。
(4)聖書研究のためには、正確に訳した訳を用いましょう。
まとめ
日本語聖書の読みにくさは、複数の訳文を比較することで克服できます。