ハーベスト・タイムU.S.A.
中川 洋
聖書入門.com > 聖書の言葉 > 気持ちや心に関すること > 孤独を感じるとき > 私に御顔を向け、私をあわれんでください。私はただひとりで、悩んでいます。
今日の聖書の言葉
紀元前10世紀頃のイスラエル
ダビデ王
ダビデによる
1 【主】よ。私のたましいは、あなたを仰いでいます。
2 わが神。私は、あなたに信頼いたします。どうか私が恥を見ないようにしてください。私の敵が私に勝ち誇らないようにしてください。
3 まことに、あなたを待ち望む者はだれも恥を見ません。ゆえもなく裏切る者は恥を見ます。
4 【主】よ。あなたの道を私に知らせ、あなたの小道を私に教えてください。
5 あなたの真理のうちに私を導き、私を教えてください。あなたこそ、私の救いの神、私は、あなたを一日中待ち望んでいるのです。
6 【主】よ。あなたのあわれみと恵みを覚えていてください。それらはとこしえからあったのですから。
7 私の若い時の罪やそむきを覚えていないでください。あなたの恵みによって、私を覚えていてください。【主】よ。あなたのいつくしみのゆえに。
8 【主】は、いつくしみ深く、正しくあられる。それゆえ、罪人に道を教えられる。
9 主は貧しい者を公義に導き、貧しい者にご自身の道を教えられる。
10 【主】の小道はみな恵みと、まことである。その契約とそのさとしを守る者には。
11 【主】よ。御名のために、私の咎をお赦しください。大きな咎を。
12 【主】を恐れる人は、だれか。主はその人に選ぶべき道を教えられる。
13 その人のたましいは、しあわせの中に住み、その子孫は地を受け継ごう。
14 【主】はご自身を恐れる者と親しくされ、ご自身の契約を彼らにお知らせになる。
15 私の目はいつも【主】に向かう。主が私の足を網から引き出してくださるから。
16 私に御顔を向け、私をあわれんでください。私はただひとりで、悩んでいます。
17 私の心の苦しみが大きくなりました。どうか、苦悩のうちから私を引き出してください。
18 私の悩みと労苦を見て、私のすべての罪を赦してください。
19 私の敵がどんなに多いかを見てください。彼らは暴虐な憎しみで、私を憎んでいます。
20 私のたましいを守り、私を救い出してください。私が恥を見ないようにしてください。私はあなたに身を避けています。
21 誠実と正しさが私を保ちますように。私はあなたを待ち望んでいます。
22 神よ。イスラエルを、そのすべての苦しみから贖い出してください。
(詩編25章)
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ダビデは「私はただひとりで、悩んでいます」と告白しています。しかし、そういう状況でも、本当はダビデはひとりではありません。それは、「御顔を向け、私をあわれんでください」と呼びかける方がいるからです。
詩篇25全体を読んでみましょう。ダビデは「顔と顔をあわせて神と会う」という世界を体験し、それを聖書の中で最も豊かに表現した人物と言えるでしょう。この詩篇では「直面していた問題の中での苦しみ」と「神と向い合う喜び」のバランスの中で、神との「愛の関係」が表現されています。
人は罪と汚れによって、神から断絶されました。その結果、周りの人との関係にも問題が生じるようになりました。ですから「ひとりで悩んでいる」と言うダビデの言葉も真実なのです。これが「直面していた問題」です。
しかし、ダビデはもう一つの側面を持っていました。それは「信仰」です。この詩篇は「私のたましいは、あなたを仰いでいます」(1節)という信仰告白から始っています。神に信頼をして近づくダビデを、神は「あわれみ」と「いつくしみ」をもって受け入れてくださいました。ダビデにとってのなぐさめは、問題の解決ではなく、問題の中だからこそわかる「神の愛」と「神ご自身の輝き(栄光)」だったのです。
「神との愛の関係」は聖書の中で「御顔を求める人」と「御顔を向けられる神」というイメージで表現されています。ダビデは「私の目はいつも【主】に向かう」(15節)と言っています。人が神に向くとき、神はご自身を現してくださる方です。ダビデは、別の詩篇では「苦しみのうちに、私が【主】に呼ばわると、主は私に答えられた」(詩篇120:1)と証言しています。創造主である【主】は、あなたの呼びかけにも答えてくださいます。孤独に感じるときこそ、主に目を向けて、なぐさめをいただきましょう。
詩篇25の後半で、ダビデは「私はあなたを待ち望んでいます」(21節)と告白しています。【主】を待ち望む信仰には力があります。それは、最終的な問題の解決を神は用意してくださっていることを知っているからです。
結びの言葉「神よ、イスラエルをあがない、すべての悩みから救いだしてください」(22節)からは、ダビデはイスラエルのメシア(救い主)の到来を待ち望んでいたことがわかります。ダビデが待ち望んでいた神と人類との出会いは、神ご自身であるイエス・キリストがメシア(救い主)として地上に人として来られたことによって成就したのです。
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