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2016

02.08

Q.90 取税人マタイは誰のために働いていたのですか。

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「マタイの福音書」を書いたあのマタイ。イエスの弟子に選ばれるとは、もともと立派な人だったのだろう・・・と思いきや、取税人だったために周囲から売国奴として嫌われていました。現代の日本では、税金を集める人がなぜそんなに悪者にされるのか理解しづらいですが、その答えは当時のイスラエルの政治情勢にありました。

かつての編集Mのように「もっと善人になってからイエス様について行こう」と考えている方に、ぜひご覧いただきたい解説です。

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Q. 質問

Q:徴税人の説明で、よく「ローマの手先」と言われますが、ヘロデの領地であったカペナウムで徴税人をしていたマタイは、誰のために働いていたのでしょうか。ローマの手先として、それともヘロデの手先として。

A. 回答

A:イエスがマタイを召した記事は、マタ9:9に出て来ます。  取税人一般に関する説明も入れながら、3つのことを申し上げます。

1.新約聖書では、取税人は評判の悪い人物として描かれています。

 (1)抑圧的な支配者に対して税を払うことは、誰にとっても嫌なことです。

 (2)イエス時代のローマ帝国は、ユダヤ人にとっては威圧的な支配者でした。

 (3)ローマ帝国は、徴税の仕事をいわば下請けに出しました。

 (4)それを請け負ったのが、取税人です。

 (5)取税人たち裕福でしたが、売国奴として見下されました。

2.マタイの職業は、取税人でした。

 (1)彼は、通行税を徴収する取税人でした。普通よりもさらに悪質な取税人です。

 (2)イエスは、取税人を召して、弟子とされました。

 (3)マタイは、自分のかつての職業が取税人であることを明かしています。

3.マタイは、究極的にはローマのために働いていました。

 (1)ヘロデ・アンティパスは、ガリラヤの国主でした。

 (2)国主とは王よりも一段低いタイトルです。

 (3)ヘロデ・アンティパスは、ローマの任命により国主となっていました。

 (4)ヘロデ・アンティパスには、ローマに税を納める義務がありました。

 (5)マタイは、ヘロデ・アンティパスを通してローマに仕えていたのです。

参考になる聖句

「イエスは、そこを去って道を通りながら、収税所にすわっているマタイという人をご覧になって、『わたしについて来なさい』と言われた。すると彼は立ち上がって、イエスに従った」 (マタ9:9)

イエスはどんな人でも救い、用いることができます。

もっと詳しく知りたい方は

イエスは、そこを去って道を通りながら、収税所にすわっているマタイという人をご覧になって、『わたしについて来なさい』と言われた。すると彼は立ち上がって、イエスに従った(マタイ9:9)