執事(しつじ)

執事と訳された語は、ギリシヤ語では「ディアコノス」です。紀元1世紀の教会には、監督と執事という職制がありました(長老は、監督と互換性のある語です)。監督は聖書を教え、霊的指導を行ないました。それに対して、執事は実務的役割(管理、慈善活動など)を負ったようです。

(1)エルサレム教会で、「7人」の奉仕者が選ばれていますが(使徒6:1〜6)、彼らが執事の起源であったかどうかについては、大いに議論のあるところです。ただし、彼らが行なった奉仕の内容は、執事職そのものです。

(2)使徒たちは、「もっぱら祈りとみことばの奉仕に励む」こととなり、選ばれたこの7名が、「食卓のことに仕える」ようになりました。

(3)その後しばらくして、各地の教会に執事職が定着したようです(ピリピ1:1、Ⅰテモテ3:8以下参照)。

出典:クレイ聖書解説コレクション「テモテへの手紙第一・第二、テトスへの手紙、ピレモンへの手紙」