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初めに、神が天と地を創造した。

天地創造

1 初めに、神が天と地を創造した。
2 【さて】地は茫漠として何もなかった。やみが大水の上にあり、神の霊が水の上を動いていた。
3 神は仰せられた。「光があれ。」すると光があった。(創世記1:1〜3)

(注)新改訳聖書の訳によるが、【さて】は筆者による補足

聖書は、「初めに、神が天と地を創造した」(創世記1:1)で始まります。

この箇所の「天」は複数形です。聖書の中には、三つの「天」があります。第一の天は地の上にあり、鳥たちが飛ぶ空間(創世記1:20)、第二の天は太陽・月・星が置かれる宇宙空間(創世記1:14〜18)です。そして第三の天は、霊の世界で、そこには神の御座があり、天使たちが神に仕えています。天使たちも神が造った霊的存在です。

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天使たちの創造については、記録がありません。聖書は、天使、悪魔、悪霊の存在とその活動を、事実として書き記しています。悪魔と悪霊の起源については、預言書などを見ると、天使の長であった者がその力を誇って自ら神のようになろうとして反逆し、これが悪魔になったこと、そのとき天使たちの3分の1が悪魔の側について堕天使(別名、悪霊)となったこと、などが読み取れます。

初めに神が天と地を創造したときには、まだ人は造られていません。霊界と天使たちが造られ、物質界の天地が造られ、天使の長に地を支配する権限が与えられました。創世記1:1と1:2の間には、その天使の長が堕落して悪魔となり、その支配下にあった地も呪われるという事件が起きます。その結果、地は「茫漠として何もない」という荒廃した状態になったのです。「やみ」も「大水(深淵、海)」も呪いの象徴です。ちなみに、将来、神が新しい天と新しい地を造るときには、そこにはやみも海もないと預言されています。

地の上をおおう大水の上を、神の霊が「動いていた」とありますが、原語のニュアンスは、母鳥がその翼でひなを覆うような動作です。神の愛が感じられます。そして3節から修復が始まります。神が最初に発したことばは、「光あれ」です。「あれ」とは「存在する」ということばで、神の聖なる名「ヤーウェ」と同じ語源です。「光」は太陽ではありません。太陽はあとで造られます。ここの光は、神の栄光の輝きそのものです。

聖書は、神による天地創造と神の栄光の輝きで始まります。神の栄光に出会い、神の栄光の中に生きること、これが聖書のテーマです。造られた太陽の光ではなく、本物の光に出会うとき、人は心の奥底にあるやみから解放され、真に生きる者となります。

清水 誠一

この記事の執筆者

清水 誠一

熊本聖書フォーラム代表

清水 誠一

1955年生まれ。静岡県出身。
1981年熊本大院卒。
税理士事務所、日本IBMに勤務ののち、1995年より熊本市に在住、現職は会社役員。
20代で右翼思想から転向して、米国バプテスト教会宣教師より受洗。
30代でペンテコステ系神学に傾倒するも挫折、ガン病棟を経験。
40代は仕事に没頭、家庭崩壊と離婚の危機。
50代で聖書を読み直す。
2013年より熊本聖書フォーラム開始、現在に至る。
2014年7月ハーベスト聖書塾卒。